お化粧

あれからずっと身体が変だ。

寝ても寝ても眠いしなんだか眠った感じがしない。

食べれば食べられるけど、何を食べたらいいのかわからない。

食欲もいまいちだ。お腹が空いたから食べる、そんな感じ。


今日は、納棺をした。

納棺師さんが来て、

浴衣を着せて、足袋と草履を履かせて、綺麗に化粧をして棺に納めた。

足袋と草履を履かせる所は、みんなでやった。


お姉ちゃんは泣いていて、

いとこのさおりは目を赤らめていた。

あきえおばちゃんは関係の無い話をしていた。


私は、おばあちゃんの姿を目に焼き付けようと一生懸命見ていた。


亡くなった直後の顔は、

なんというか、正直、言葉を失った。

ただただ驚き、目を背けたくなった。

なんと声をかけたらいいのかわからなくて、本当に死んでいるのかさえわからず

これが現実なのか、夢なのか、よくわからなくて、明日になればいつも通りの日常に戻っているんじゃないかって思った。


でも、お化粧をしたら綺麗になって、まるでただ静かに眠っているだけのようだった。


もう何日も経っているかのように感じるけれど、実際にはまだ2日しか経っていない。

時間の感覚も変だ。



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